考察.2 昭和と平成のクロスオーバー

 *12:ちなみにこの「メビウス」というタイトル。個人的には「昭和ウルトラマンと平成ウルトラマンを表裏に見立てて、それを融合する作品」という意味が込められてるのではないかと思ってます。

「考察.1 リュウは光の国へゆけるのか?(id:kka:20060423)」で上記のように書きましたが、「昭和ウルトラマンと平成ウルトラマンを融合」というコンセプトに思い当たるところがあったので資料を調べてみました。

■交差・連鎖・無限環

◆テーマ
「絆」をもって未来を切り開く
◆コンセプト
「やさしい心と勇ましい行為」という理想のヒーローとしての願望を体現する光の巨人『M78星雲のウルトラマン』たちの持つ魅力と、人間自身が光を得たことでその思いや行動に等身大の共感が得られた、近年の作品のいわゆる『人間ウルトラマン』たちの主人公が持つ魅力。
その双方の魅力をクロスオーバーさせる作品。

(「ウルトラマンX(クロス)」(仮題)企画書より)*1

これは「ウルトラマンコスモス」の放映終了当時(2002年11月頃)、その次回作用に作成された企画書の抜粋です。その後「ウルトラマンX(クロス)(仮題)」は、放映のための諸条件からコンセプトに「ハード路線」「連続ストーリー」などの要素が追加され*2ウルトラマンネクサス」として2004年10月にスタートしました。


ウルトラマンX(クロス)(仮題)」と「ウルトラマンメビウス」のコンセプトの共通性は言わずもがなでしょう。「ウルトラマンメビウス」は、「ウルトラマンネクサス」の原点「ウルトラマンX(クロス)(仮題)」からスタートしているのです*3。そして更に踏み込み「〜の魅力」どころか「M-78星雲のウルトラマン」と「ウルトラマンの光を得た人間*4」そのものを登場させてクロスオーバーさせてきた点に、企画のクローンに終わらない「ウルトラマンメビウス」という作品の「志」を強く感じる次第です。


どっとはらい

このエントリーの参考となるブログさん
何もない日常-LIVE- ウルトラマンメビウス』初見の印象。
ネクサスからの『絆』が受け継がれた――と感じた。 それは、個人的解釈における、Aからの系譜。
特撮ヒーロー作戦! ぼくらが変えてく未来♪ 絆はとぎれはしない♪
このところの歌詞、なんかスタッフからのメッセージのような気がしませんか? 中途に終わってしまったネクサスの志を受けて、再び動き出したスタッフ。その気持ちが込められた歌詞のような気がして、ちょっとウルウルっとしてしまったんですが…(T T)

*1:ウルトラマンネクサスNEXUSEED (ファンタスティックコレクション)(朝日ソノラマ刊)より抜粋(23ページ)

*2:ウルトラマンのような大きなプロジェクトでは、企画初期から実現の過程でコンセプトなどの変更が加えられるのは(おそらく)日常茶飯事でしょう。

*3:このあたりは渋谷プロデューサー(円谷プロ)、岡崎プロデューサー(CBC)のインタビューが楽しみです。ちなみに岡崎プロデューサーは、ネクサス企画当初からM-78星雲ウルトラマンの登場を熱望していたとか。

*4:考察.1 リュウは光の国へゆけるのか?(id:hatenadiary:20060423)を参照ください。