考察.4 ヒカリは絆だ
■受け継がれてゆくもの
5話「逆転のシュート」から登場した謎の超人「ハンターナイトツルギ」。その彼にまつわるエピソードが第10話「GUYSの誇り(06年6月10日放映)」によって、一段落しました。
他のウルトラマンたちと同様、M78星雲の出身である青き超人。かつて愛した惑星アーブを滅ぼされた彼は、顔をマスクで覆った復讐者「ツルギ」として、怪獣ボガールを追って地球へとやってきました。視野狭窄に陥っていた彼は、最初こそメビウスをも目の敵にしましたが、寄生主セリザワとその愛弟子リュウの絆に触れ「やさしさ」を取り戻し、メビウスとの共闘を選択。己の過失を償うかのように身を挺して戦い、力尽きたのです。
ラストで「ウルトラの母」が登場*1したことで、ツルギが「ウルトラマンヒカリ」として復活し、メビウスとGUYSの味方*2になることは間違いないでしょう。
第10話にして主人公のライバルが味方に転身する展開は、ヒーロー作品としては性急な感が否めません。ツルギが闇の呪縛から解放されるには描写不足だったという感想も少なくないようです。ですが、かつて「ウルトラマンネクサス」で同じテーマを突きつめた実績がある以上、これは意図的に「手短に済ませた」と解釈したほうがしっくりきます。
考察1,2でも触れたように、今作は過去のウルトラマンの要素を最大限盛り込みつつ、その続きを描くことを命題としています。かつて描いたテーマは前提でしかなく、「ウルトラマンメビウス」の物語は、僕たちが期待しているよりも更に先を見据えているに違いありません。
それでは、ハンターナイトツルギ改めウルトラマンヒカリは、過去のウルトラマンに照らし合わせると何者に相当するのか。
1. | 特定の敵を追って地球へやってきた。 |
2. | その敵は、かつて滞在していた星を滅ぼしている。 |
3. | 人間と肉体を共有する。 |
4. | 防衛隊員でない者が変身する。 |
5. | その正体は物語序盤に明かされる。 |
6. | 変身するたびに宿主の肉体が消耗する。 |
7. | 自己の闇との対決。 |
最近のウルトラマンに詳しい方なら、もうお分かりでしょう。ウルトラマンヒカリは、ウルトラNプロジェクトのウルトラマン、すなわちウルトラマンネクサスの延長に位置するキャラクターなのです。なにより、ウルトラNプロジェクトのウルトラマンは「光」と称されていたのですから*3。
さて、ウルトラマンネクサスといえば、物語の途中で宿主となる人間が交代することが話題となりました。だとしたらウルトラマンヒカリも……。昭和ウルトラマンの象徴であるセリザワ隊長*4が、世代交代を否定し物語の前線で戦い続けるとは思えませんし、そもそも彼の肉体は限界のようです*5。
ヒカリは、いったいどんな人物に受け継がれるんでしょうね。
このエントリーの参考となるブログさん
書庫の彷徨人 -Wandering Hard Hard Diary - |
さて、謎の女の正体は高次元捕食体ボ ガール、そしてハンターナイトツルギの人間体はセリザワ前隊長でした。セリザワって、ネクサスを彷彿とさせますよね。ただ一人、組織に属さないでボガールを追い詰める狩人。 |
過去の本日メモ | 青いウルトラマン(敵か味方かわかりません。)が出るようになったので、少しは話に動きがでてきたような。青ウルトラマンの人間体は、姫矢をちょっと年配にしたような感じだし。 |