考察.5 平成ウルトラマンの凱旋

「この日、ぼくたちは新たな一歩を踏みだした」


第30話「約束の炎(2006/10/29)」にて、ヒビノミライ(ウルトラマンメビウス)の正体を知った防衛隊CREW GUYSのメンバーは、彼を従来と変わらぬ仲間として迎えました。ウルトラマン(シリーズ)におけるラストエピソードの定番「正体バレ」を物語中盤に据えたことで、ウルトラマンメビウスはすべてのウルトラマンの続編として、真章とも呼ぶべき展開に突入したのです。*1


ミライは、もっとも信頼する地球人リュウウルトラマン誕生の歴史を語りました。

「僕が生まれるずっと前の話なんですけど、ウルトラマンは人間と同じ姿だったんです」
「あるとき偶然に僕らの一族はウルトラマンの力を手に入れました。それは決して望んで手に入れた力ではありません*2。でも、力を手に入れたということは果たすべき何かがあるはずだって考えたんです」
「守れるものがあるはずだって。
 あれが僕の故郷ウルトラの星です。ウルトラの星は地球から300万光年離れた場所にあります。つまり、今ここから見えているあの輝きは、まだ僕らの一族が人間だった頃の輝きなんです」

ウルトラマンと地球人が共に地球を守っていくための楔となったこのセリフには、ひとつの可能性が秘められています。


すなわち「人はいつの日かウルトラマンになれる」という未来。


このテーマは近年のウルトラマン(ティガ〜ネクサス)で描かれてきたいわゆる『人間ウルトラマン』の可能性に他なりません。この考察で、ウルトラマンメビウスのテーマは「地球人とウルトラマンのパートナーシップ*3」であり、また「M78星雲のウルトラマンと人間ウルトラマンのクロスオーバー*4」であると述べました。


ウルトラマンメビウスは、M78星雲からきたウルトラマンの活躍を描く「正伝」に、「外伝(平成ウルトラマン)」でなければ描けなかったテーマを刻もうとしてるのではないでしょうか。


あくまでも私見ですが、今作のクライマックスに「“自らの意志”でウルトラマンの力を手にする地球人」の可能性が描かれるのではないかと考える次第です。

*1:これは、過去作品のミームを消費する「受けの姿勢」で好評を博してきた今作が、新たなミームを描くために「攻めの姿勢」に転じたことを意味します。

*2:「人工太陽をつくって作動させたら、なんらかの理由によって予期せぬ効果を発揮。気がつくとウルトラマンに進化していた」というのが、タロウの頃に設定された内容らしいです。これって、言葉を選ばなければ核融合炉の暴走で被爆したってことですよね。

*3:考察.1 リュウは光の国へゆけるのか

*4:考察.2 昭和と平成のクロスオーバー